第1回目~第3回目までは旅行会社を開業する前の準備的なお話を解説していきました。
いよいよ、準備が整い、いざ事務所選びから~会社設立、旅行業登録までを解説していきます。
本記事は「費用」「時間」について詳しく解説していきたいと思います。
こんな悩みを解決します。
スタートアップとして私の経験をもとに「第3種旅行業登録までの道のり」を解説します。コストは最小限に抑え且つ短期間での旅行業登録まで手続をしましたので、参考にしてみてください。
・第3種旅行業の旅行登録を希望している方
・なるべくコストを下げ、最初は小さく始めたい方
・旅行業を登録して早く営業したい方
道のり(事務所選定~会社設立まで)
事務所選定~会社設立までは「2週間以上~2か月以上かかる。」
レンタルオフィスは第3回目の記事で解説しましたが、旅行業登録をする上で条件を満たさない原因や登録ができなくなる可能性が高いのでここでは省略をします。
step1 事務所選定
事務所選定~契約~引越しまで通常約1か月ほどかかる。
・事務所としての賃貸契約は家賃1か月分+敷金3か月~半年ほど発生するので注意。
例えば、賃貸10万円の事務所を借りた場合、賃料10万+仲介手数料(1か月分)+敷金3か月となれば約4か月分の初期投資が必要となる。合計50万円ほど最低でもかかる計算となる。
追加で礼金も発生する不動産もあるので、しっかりと見極めて契約をしましょう。
・家賃初期費用50万円
・光熱費・水道・ガスなど・・・合計約15,000円/月
法人を設立していないため、最初は個人契約となります。
step2 会社設立
会社設立の際に基本情報が必要となります。
- 会社名
- 所在地
- 連絡先
- 代表者情報
- 出資金
こちらの情報が整いましたら、司法書士に定款の作成を依頼します。最近では、ネットの中で最小限に料金を抑え、定款を自動的に作成してくれるシステムがあるので格安で利用できます。私はそちらを利用しました。
- 印鑑(3点セット)代表印・銀行印・角印を購入
- 定款作成
- 電子定款と紙定款を選びます。 紙定款の場合は印紙代40,000円追加になります。もったないので、電子定款で十分です。
- 印鑑証明書
- 定款作成完了 CR-Rを準備し公証役場へ
- 出資金の入金
- 法務局で登記申請
- 履歴書全部証明書受取登記完了→会社設立となります。
費用は
印鑑3点セット・約5000円
定款作成・・・5000円
公証人役場・・約52000円
法務局登記申請・・150,000円
印鑑証明書/履歴全部証明書発行・・・1枚525円
その他 CR-R・・・約100円
期間は
最速8日で会社設立。通常は14日以内程かかります。
定款に記載する事業目的に必ず、「旅行業法に基づく旅行業」と入れること。こちらを記載しないと旅行業の登録ができません。
道のり(会社設立~旅行業登録前まで)
会社を設立したら、お届けでをしていきます。平行して旅行業との登録をしていきます。
届け出
- 年金税務署
- 税務署
- 都道府県税務署
- 区市町村役場
- 労基基準監督署・ハローワーク などとなります。
ここからいよいよ旅行業登録に関しての解説をしていきます。
step3 旅行業登録にはどちらかの協会に加入することをお勧め
旅行業登録をする上で大きくわけて3つの方法があります。
- (一社)日本全国旅行業協会(JATA)に加入する
- (一社)全国旅行業協会(ANTA)に加入する
- いずれも加入しない
となります。多くの方がJATAもしくはANTAへ加入をしますのでどちらが良いか比較していきましょう。
【第3種旅行業の登録の場合の各協会加入条件】※2020年データー
注)2020年コロナ禍の影響により年間費が一時的にお安くなっています。
協会 | 入会金 | 年間費 | 取得方法 |
JATA | 80万円 | 30万円 | 都度申請可能 |
ANTA | 55万円 | 3万円 | 2か月に1度の申請 |
JATA(日本旅行業協会)
メリット
- 旅行会社の大手が会員のため、知名度・信頼性が強い。
- 海外旅行に関しては情報が入手しやすい。
- 毎日旅行関連ニュースがメールで届く。
- 旅行業登録期間が最短で取得できる。
デメリット
- 入会金及び年間費が高い。
- 入会後、日常的なバックアップはなく、特に大きなメリットを感じづらい。
ANTA(全国旅行業協会)
メリット
- 年間費が安い。
- 営業後の全旅会員等の申請がスムーズにできる。
- 各地域性が強く、横のつながりが増える。
- 2種・3種の旅行会社が多い。
デメリット
- 2か月に1回の申請のため、営業開始まで時間がかかる。
- 海外関連の情報は少ない。
道のり(旅行業登録から営業開始まで)
加入する協会が決まりましたら、旅行業登録の手続きを解説していきます。
必要書類や契約等が増えるため、スケジュールをしっかり立てて、間違いないように手続をしていきましょう。
step4 ANTA申請の場合
JATA/ANTAともにそれぞれ、メリット・デメリットがありますがここでは「第3種旅行業でANTA申請の手続き」について解説致します。
- 2か月に1回の申請のため、時期を確認しましょう。
- ANTA入会手続きの必要な書類を各支部へ問合せをし入手。
- 必要書類を記載し、ANTAへ提出。
- 入会審査が完了。
- 都道府県庁に行き、登録申請を行う。各登録費用を払う。(代表者または旅行業務取扱管理者が訪問)
- ANATAに弁財業務保証金分配金と入会金・年間費を収める。
- 登録通知書の交付。
- 営業開始。
※各都道府県により若干異なる場合がありますが、基本的な流れは同じです。
費用は
登録申請・・東京都の場合90,000円 静岡の場合22,000円
ANTA入会金・年間費・・入会金300,000円/年間費15,000円(通常30,000円/2020年コロナ禍により半額)
弁財業務保証金分配金・・ 600,000円
期間は
会社設立から約1.5か月。会社設立とANTA入会のタイミングがずれると、およそ3か月以上はかかります。
会社設立後、旅行業登録までに最低限準備が必要な物
- 法人用の銀行口座
- インターネット回線
- ホームページ(基本的には必要)
- 固定電話・FAX(※FAXも基本的には必要)
- メールアドレス
- 旅行業務取扱管理者の選定
- 賃貸契約書(必要に応じて)
まとめ
第3種旅行業登録に関する大まかな費用を算出しました。あくまで最低限の費用を想定して計算をしております。実際に2020年私が旅行業登録にかかった費用を参考に算出しております。
費用は
①事務所 約515,000円/初期費用+1か月分10万×2か月=約715,000円
②会社設立 約212,625円
➂旅行業登録(ANTA入会/静岡の場合) 約937,000円
合計:1,864,625円
④その他(固定電話・FAX・ホームページなど)約5万~50万円ほど
期間は
事務所契約から営業開始までは(6月3日~7月28日)約2か月で完了。
補足:旅行会社の経験の過去に申請の経験があったので、スケジュールと必要書類の準備に時間がかからなかった。通常ですと3か月ほどは視野に入れて検討された方が良い。
最後に、事務所の費用と固定費は契約後から発生しますが、旅行業の登録は会社設立後、2か月~3か月ほど期間を要するため、その期間は売上が上がらないことを前提に資金繰りを確認しましょう。
Thank you!!!