はじめに
旅行会社を経営しております、Morishiです。
第5回目では「会社設立後に最初につまずく事」をご紹介しました。
第6回目(本記事)では、旅行業登録までの流れと提出書類について解説していきます。
登録の手続きはある程度、代行して頂ける会社もあります。
実は2回登録申請をしました。(なかなかレアですよね。)
1回目は代行して頂ける行政書士の旅行分野に強い会社です。その時は登録するノウハウが全くなかったのでお願いをしました。2回目は自力で登録を行いました。
そんな私だからはっきり言いますが、「自力で出来る範囲」と結論付けます。
結論
自力で登録できる。書類の記入さえわかれば、全く代行会社を使う理由がない。
もちろん代行会社にお願いすれば、それなりの費用が発生します。
- 第3種旅行会社を登録したい方。
- 一人経営者で旅行会社を始めたい方
- 全国旅行業協会(ANTA)に加入予定の方
- 自力で登録申請をしたい方
旅行業の手続きの流れはこれですべてわかる!
旅行業の登録をするにあたって、必要書類の準備や記入がたくさんあります。
2020年に旅行業3種を取得した経験をもとに、なるべくスマートに手続きができるように解説します。
早速大まかな手続きの流れからみていきましょう!
※全国旅行業協会の略名をANTA(アンタ)と呼びますので、記事内ではANTAと記載していきます。
1.手続きの流れ
1~7の手順で進んでいきます。
- 全国旅行業協会(ANTA)の各都道府県支部に書類を提出
- ANTA入会審査
- ANTA入会手続き完了
- 各都道府県庁の旅行業登録を管轄している課に行き登録申請を行う
- 弁財業務保証金分配金と入会金・年間費を納める。
- 登録通知書の交付
- 営業開始
手続の流れとなりますが、約2か月以上かかることを想定して手続を始めましょう。
④の各都道府県庁の登録申請のみ事前予約をし訪問することになります。
それ以外は基本的に郵送のみで完結いたします。
2.提出先の確認
提出先
- ANTAの各都道府県支部
- 各都道府県の庁にある観光課・旅行課など
ANTAの各都道府県支部のホームページなどを確認の上
提出期限と提出書類を確認しょう。
ANTAは基本的には2か月に1回ペースでの申請手続となり、
もし、書類の提出期限後となった場合は約2か月間申請期間を待たなければ
ならないため、しっかりと確認しときましょう。
各都道府県の庁に行く必要があります。例えば東京都の場合は新宿の都庁の「東京都産業労働局観光部振興旅行業」になりますよね。
基本的には重複した書類提出が多いため、書類事態には苦戦しません。
必要書類の準備
ANTAの書類は各支部に問合せをし、郵送等で必要書類を送ってもらいましょう。
各都道府県庁のホームページに書類をダウンロードできます。
東京都の場合は必要書類がダウンロードできますが、他県では一部の書類が入手できなかったりもしますので、直接お問合せをするか、必要であれば東京都を参考に入手しても良いと思います。
1提出先の資料を確認
1.全国旅行業協会(ANTA)の各支部の場合
番号 | 提出書類 | 法人 | 個人 |
1 | 入会申込書(写し紙) | 〇 | 〇 |
2 | 誓約書(写し紙) | 〇 | 〇 |
3 | 定款または寄附行為 | 〇 | |
4 | 履歴事項全部証明書または登記謄本 | 〇 | |
5 | 住民票 | 〇 | |
6 | 代表者の履歴書 | 〇 | 〇 |
7 | 代表者以外の役員全員の履歴書(監査役含む) | 〇 | 〇 |
8 | 旅行業担当者の履歴書 | 〇 | 〇 |
9 | 旅行業務に関わる事業の計画(1)~(4) | 〇 | 〇 |
10 | 直近の事業年度の貸借対照表・損益計算書(法人)財産に関する調書(個人) | 〇 | 〇 |
11 | 旅行業に関わる組織概要 | 〇 | 〇 |
12 | 旅行業務取扱管理者選任の一覧表 | 〇 | 〇 |
13 | 選任された旅行業務取扱管理者の履歴書 | 〇 | 〇 |
14 | 事故処理体制表 | 〇 | 〇 |
15 | 旅行部門従事者名簿 | 〇 | 〇 |
16 | 現況調査票 | 〇 | 〇 |
入会申請書の欄には、推薦者2名以上必要になる場合があります。私が申請した地域では、ANTAに登録している旅行会社2社の推薦者の承認を頂く必要がありました。
心配しないでください。ANTAの支部事務局から、旅行会社の推薦者のアポイントを頂けるので、推薦の会社へ訪問し、署名して頂くだけでOKです。
2.各都道府県庁の場合
番号 | 提出書類 | ANTA書類と同じ書類 |
1 | 登録申請書 | |
2 | 定款または寄附行為 | 〇 |
3 | 登記簿謄本 | 〇 |
4 | 役員の決格事由に該当しない旨の宣誓書 | |
5 | 旅行業務に係る事業の計画 | 〇 |
6 | 旅行業務に係る組織の概要 | 〇 |
7 | 直近の事業年度の貸借対照表・損益計算書(法人)財産に関する調書(個人) | 〇 |
8 | 資産負債の明細等 | 〇 |
9 | 旅行業務取扱管理者の選任一覧表 | 〇 |
10 | 旅行業務取扱管理者の合格証または認定証の写し | 〇 |
11 | 旅行業務取扱管理者の定期研修修了証の写しまたは受講に係る誓約書 | |
12 | 旅行業務取扱管理者の履歴書 | 〇 |
13 | 旅行業務取扱管理者の決格事由に該当しない旨の宣誓書 | |
14 | 事故処理体制表 | 〇 |
15 | 旅行業約款(認可申請書) |
共通書類と各書類をそれぞれ準備しましょう。
基本的には大まかな書類が同じになるので、まずはANTAの書類をしっかりと記入や準備をすれば、スムーズに手続きが進みますよ。
提出時期がそれぞれ異なるので、
- ANTA提出書類を必ず「保管用」にコピーしときましょう。
- 各都道府県の庁に申請する際には必ず「保管用」にコピーしましょう。
※提出書類は基本的に機関に保管されますので、書類は戻ってきません。
必要書類の記入方法
一番書類記入に時間を要するのは旅行業務に係る事業計画書(1)~(4)になります。
これは、4ページほどの基本情報と会社の概要などを記入するだけです。
それ以外の書類は基本的には、記入漏れ等なければ、すぐに記入が終わります。
旅行業務に係る事業計画書(1)~(4)
- 基本情報(氏名または名称・住所・電話・FAX・メールアドレス)
- 会社(事業)の沿革
- 主たる株主
- 兼業の有無
- 従業員数
- 旅行業務の概要
- 取扱商品①(自社募集型企画旅行・委託販売・代理業者の有無)
- 取扱い商品②(インバウンドの有無・旅行券発券の有無・契約先)
となります。
➑の契約先とありますが、すでに見込んでいる契約先(仕入れ先)があれば、記入をします。
しかし、もしあなたが初めて旅行業に参入する場合は記入に戸惑うでしょう。
海外航空券なら〇〇社・国内旅行なら〇〇社等の仕入れ先をアドバイスすることもできるので、ご質問等あればお問合せください。
申請手続をする前にすぐ準備する事
- 法人用の銀行口座(3日~1週間ぐらいはかかります。)
- 固定電話・FAX(契約~工事~開設まで2週間~1か月かかります)
- メールアドレス(サーバー契約なら当日~3日ほどかかります。
- 自社ホームページ(1か月以上はかかります)
ホームページは最悪申請時になくてもよい!
ここで大事なのは、固定電話とFAXです。
旅行会社は意外とまだまだアナログ文化です。
なぜFAXが必要なの?
2つ理由があり、
- 申請登録の手続きで、最終的に通知書などの書類を機関から送られてくる時にFAXが必要
- ホテルやバスなど、旅行会社が取引する上で、書面にて交わすことが多いため。
今後は、もしかするとFAXがなくなり、時代の変化により電子的書面に変わっていく可能性もありますよね。
提出方法
提出方法は基本的には、ANTAは郵送で結構です。
各都道府県庁には訪問日時を予約し、旅行業務の責任者もしくは
代表取締役が訪問することとなります。
まとめ
私が実際に第3種旅行業登録をした際に準備した内容をもとに
解説しております。実体験ならではの気づく点があります。
資料記入の際にいろいろと面倒なこともありますが、なるべく
自分自身で行いましょう。しっかりと準備すれば難しくありません。
もし、分からない点や記載方法などご質問があれば「CONTACT」からお問合せください。
分かる範囲でお伝えしますね。
Thank you!!!