はじめに
旅行会社を経営するMorishiです。
前回は旅行業取得の際に必要な申請手続について解説してきました。
「旅行業認可=営業開始」となるため、旅行業申請登録から認可が取得できるまで約2か月ほどかかる。
この2か月が非常に大事です。
今回は、私の経験をもとに、「何をしてきたのか」実際の体験を踏まえ、
「旅行業認可が下りるまでに最低限やるべきこと」を解説していきます。
- 旅行会社を起業したい方
- 未経験から旅行会社を起業したい方
- 旅行会社を運営する上での知識の知りたい方
旅行業認可が下りるまでに最低限やるべきこと
やるべきことを内部的・外部的に分け解説していきます。
土台を固める上で内部的準備は非常に大事です。土台が固まったら外部的準備に取り掛かりましょう。
内部的準備
- ホームページを作成する
- 旅行手配に必要なカルテなどを作成していく
- 旅行専門のシステムを導入しましょう
- 仕入れ先リストを作成する
ホームページを作成する
今の時代、会社のホームページ(WEB)はとくに大事となります。
会社の顔とも言われるほど、旅行会社は特にホームページを開設する必要がある。
外注する場合は金額がピンキリではありますが、テンプレートに埋め込む場合であれば5万~ありますし、外注する場合は30万~100万円ほどかかります。
私は、以前外注し失敗したので、独自でホームページを作成しました。この記事ではその経緯を解説しませんが、別の記事で解説していこうと思います。
さて、
旅行会社のホームページには大きく分けて2種類あると考えられます。
- 旅行会社の会社情報と自社の商品説明のホームページ
一般的な会社のホームページであれば、コストを下げてホームページを作成することができる。まずは会社を知って頂く上ではここから始めれば十分です。
- 旅行販売が可能なホームページ
旅行販売が可能なホームページでは属に「OTA(オンライン・トラベル・エージェント)」とも呼ばれ、ホームページ上で予約から決算まで自動で行えるシステム。そのため、導入費や管理費など、多額の費用が発生し、スタートアップとしてはなかなか手が出しづらい。
ホームページ作成にはすぐできることではありませんので、まずは前者の「旅行会社の会社情報と自社の商品説明のホームページ」の開設準備をしていきましょう。
旅行手配に必要なカルテなどを作成していく
お客様から旅行の手配の依頼が発生したら、予約カルテを準備する必要がある。これは仕入れ先であるホテル・航空会社・貸切バスの手配内容を記入していきます。仕入れ先とのやり取りはFAXや電子メールなどを利用し書面で交付する義務があります。
その記録を5年間保管する義務もあります。
そのため、
予約カルテのフォーマットを準備しましょう。
団体・個人(国内・海外)などのフォーマットも必要に応じて用意しましょう。
旅行専門のシステムを導入する
旅行専門のシステムを導入することをお勧めします。
旅行専門のシステムとは、顧客情報・売上や仕入れ、経理、販売状況、伝票など複数の項目を一括でシステムに取り込み日々の業務の効率化を図る。
私が利用している旅行会社のシステムは「ウィ・キャン(株式会社ウィ・キャン」のシステムです。ここは、月額定額約6,000円(1台/1名)となります。会社によっては、オリジナルのシステムを導入する方法もあると思いますが、まずスタートアップであればこのコースで全く問題ございません。むしろ、非常に旅行会社に特化しているシステムのため、全く不満がなく十分すぎる。
また、セキュリティの強化に指紋認証システムも導入しており、個人情報の取扱いもしっかりと対応しております。
会計ソフト(フリー・弥生会計等)がありますが、旅行会社には不向きである。
もちろん人事労務関連や日々の経費等を踏まえれば、分かりやすく、素晴らしいシステムではありますが、旅行会社にとってはものがたりません。
なぜなら、一定の仕入れや販売であればよいのですが、旅行に関しては、ひとつの予約に関して、売上や仕入れを入力し、さらには変更作業も発生してきます。また、多種の仕入れ先や個人情報の管理等も含めて、旅行会社にとっては不向きである。
それよりは旅行会社に特化した専門システムを導入した方が良い。
仕入れ先リストを作成する
事業を行う上で、旅行業は持ち物が基本的にないため、航空会社やホテル、バス会社などの仕入れ先から発注をして、お客様にご提案、販売をする。いわゆる「仲介会社」の役割である。
報酬は、手数料となるのが基本である。
そのため、仕入れ先の会社さんと長く利用するためにも、しっかりと仕入れ先リストを作成していきましょう。
無料で出来る仕入れ先
- Expediaのクマの手(旅行会社専門)
海外航空券や世界中のホテルや全国のホテルなど手配できます。
- スカイツアーズ(旅行会社専門)
ANA系に強いパッケージ商品の販売ができます。
- トラベルプラザインターナショナル(旅行会社専門)
JTBの関連企業であり、海外航空券や海外の列車・海外ランド関連も充実しており販売ができます。
- アップル(旅行会社専門)
海外のホテルメインで日本清算が可能
- JHC(旅行会社専門)
主に東南アジアに強く、現地ガイドやツアー・ホテルなどの販売ができます。
まだまだたくさんありますが、こんな感じで登録をすれば、お客様の販売が増えます。
有料で出来る仕入れ先
- インフィニ(GDS/海外航空券の手配)
主にスターアライアンス系に強いですが世界中の航空会社の手配がリアルタイムに手配できます。
海外航空券の販売をする上で欠かせないのが、予約手配ですね。ある程度のスキルがないと手配することができません。
外部的準備
- 人脈を広げましょう
- ターゲットを明確にしましょう
- 顧客には事前に告知しましょう
人脈を広げましょう
旅行会社はお客様とのつながりももちろん大事ですが、仕入れ先の方との人脈も広げましょう。
まずは、旅行会社の営業所である地域のホテルやバス・その他仕入れ先の方とはコンタクトをとり、人脈を広げましょう。
また、地域の観光協会や旅行関連の団体関係の会合などは、情報収集も含めてなるべく参加しましょう。
ターゲットを明確にしましょう
私の経験上、すごく大事な要素です。旅行会社は全国何万社とあり規模が多い業界であるのは間違いないです。
あたなの会社がどのように販売し、ターゲットを絞って販売していくのか、ある程度明確にしてビジネスモデルを構築していきましょう。
海外専門の旅行会社・国内個人向けの旅行会社・国内団体向けの旅行会社・〇〇国に特化した旅行会社・バリアフリーに特化した旅行会社・留学関連に特化した旅行会社など、
あなたの事業計画に合わせて、ターゲットを絞り込んでいきましょう。
そうすれば、どうような形で今後営業すべきか、マーケティングすべきかが見えてくるのではないでしょうか。
顧客には事前に告知しましょう
旅行業の認可が下りれば、営業スタートができるため、早いうちに予定しているお客様には事前に告知しましょう。
一般向けの販売であれば、SNSなどで告知したり、従来のビラ配りをしたりと営業活動に必要なことをしていきましょう。
旅行商品の手配は、出発の半年前から2か月前から旅行計画を立てることが多いです。それを考えると営業認可が下りてから告知をしても、数か月先の予約となるため、しっかりと準備をしていきましょう。
営業活動及び旅行手配は旅行業認可が下りてからではないと手配できませんのでご注意ください。
まとめ
今回は、旅行業の認可でできるまでの期間、最低限やるべきことを解説してきました。
私は、もともと旅行会社でサラリーマンをしていたので、仕入れ先や予約カルテ・システムなどは把握していてスムーズに準備することができましたが、
異業種の方の参入や初めて旅行会社を起業したい方にとっては、未知な部分が多いと思います。少なからず、ハードルを下げ様々な異業種の方や旅行会社を起業してみたい人にとっては参考になる記事ではないかと認識しております。
Thank you!!!